パーキンソンとは?
パーキンソン病の由来
パーキンソンとは、元は人物の名前でした。彼の名前はジェームズ・パーキンソン。
イギリス出身の彼は、今で言われる「パーキンソン病(Parkinson’s disease)」の症例6つを1817年に発見した人物です。当初彼が病気を発見した際は、振戦麻痺という症例で発表していました。
当時、彼が発表した症例には、現在パーキンソン病の特徴の1つとなっている前傾姿勢や、姿勢を保てなくなる症状、安静時にも震えが続き、小字症や寡動も起きることが明記されていましたが、注目されることはありませんでした。しかし1888年、フランスのジャン・マルタン・シャルコーによって再び症例をまとめられ、注目されるに至りました。シャルコーは、ジェームズの症例には記されていなかった筋強剛についても明記し、世間へとパーキンソン病の名前を広めていきました。
パーキンソン病が発症しやすい年齢
パーキンソン病は、全年齢に対し幅広く発症しますが、中〜高齢になるにつれて発症率は大幅に上がっていることが報告されています。40歳以下で発症した場合を若年性パーキンソン病と呼びますが、若年性の場合のみ、遺伝子の変異が見られているという例もあります。人種や地域によっても症例の差は見られず、はっきりとした原因の特定は未だに研究中となっていますが、特に多くの有病者が居るイタリアのコントゥルシ・テルメにおいても、遺伝子の突然変異が起こることが確認されており、関連性の特定が急がれています。
罹患者数はどのくらい?
現在日本では、10万人に100〜150人が羅患しています。つまり1000人に1人が感染しているということになってしまうのです。欧米では1000人に3人が有病しており、感染率に多くの差があります。一般的に遺伝はしないとされていますが、これは2006年の厚生労働省特定疾患医療受給件数の調査において、全潰瘍性大腸炎に次いで2位の多さとなっており、日本でも珍しい病気ではなくなりました。
そして厄介なのが、パーキンソン病を完全に治療する方法が確立されていないことにあります。原因として挙げられているものはありますが、関連性や明確な原因に乏しく、研究に未来が託されています。
2010年に、血清中のビタミンD濃度が高いことによりパーキンソン病発症の危険性が低下することが報告されていますが、具体的な関連性については、現在研究の最中です。