パーキンソン病をもっと知る パーキンソン病には似た病気もあります。そして更になる治療法など深く見て行きましょう。

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手術による治療について

パーキンソン病は、手術による治療法も確立されていますが、ほかの治療法に比べて、圧倒的に困難であることから、かなり慎重に決断をしなければなりません。1950年代から、手術療法は存在しており、視床VL、Vim核、淡蒼球内節、視床下核破壊手術の方法は確立されていましたが、その後、深部脳刺激術と呼ばれる、脳の視床下核に電極を埋め込み、改善を見込む方法が開発され、その方法が手術療法の中で最も安全かつ、一番安定して効果が得られたため、現在の手術方法はそれに絞られています。
手術を許可されるのは、L-ドーパによる治療に対して効果が出た場合のみで、かつ治療が十分に行われたにもかかわらず、日常生活に支障がある場合とされています。認知障害や精神症状がある場合は改善があまり期待できないため、除外となり、また手術が危険性を伴うことから、重篤な全身疾患を持っている場合はこの手術療法を受けることはできません。尚、年齢による手術への制限は無しとされています。 
手術には現在、主に5種類が確立されており、それぞれの特徴があります。定位脳手術には4種類、そして電気刺激療法が1種類となっています。まず、定位脳手術の中で、視床の手術は、振戦や筋固縮にかなりの改善を見込むことができますが、無動や歩行障害にはほとんど効果がありません。

淡蒼球内節の手術

淡蒼球内節の手術では、すべてのパーキンソン病の症状を改善していくことができます。特に、パーキンソン病の運動合併症であるジスキネジアに対する効き目が顕著に表れます。ですが、振戦への改善は、視床の手術のほうが改善されやすく、L-ドーパの減量効果も視床下核の手術よりは劣ってしまいます。ヤールの5段階分類による、3・4度の患者でも、効果を見込むことができましたが、最近あまり利用はされなくなりました。

背側視床後部・不確帯尾側の手術

背側視床後部・不確帯尾側の手術も、ほとんどのパーキンソン病の症状抑制することが可能ですが、ジスキネジアに対する効果は、淡蒼球内節の手術よりは効果はありません。
視床下核の手術は、L-ドーパの性質にとても似ていることから、L-ドーパの減量を大いに期待することができます。しかし、長期的には、認知機能が劣ってしまったり、歩行障害、うつの発生も報告されているので、手術承諾の際には、未来のことを考えて承諾しなければなりません。

普及している手術

そして、電気刺激療法は、現在最も期待されており、さらに普及されてきた手術です。現在はもうこの方法しか使われていません。 
ほかに、頚部交感神経節や胎児から黒質の脳内移植を行う方法もありますが、危険性が群を抜いて高いことから、ほとんど行われていません。

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