判断基準と検査について
パーキンソン病は、3つの判断基準をもとに、発症しているかどうか検査されます。
総合的な判断
まず、パーキンソン病の特徴として挙げられる症状があることを確認します。パーキンソン病は、はっきりとした検査があったり、特異的に結果が表れるものではありません。つまり、神経学的な視点や、臨床症状、過去の病歴を参考に、総合的に判断をしていきます。
画像解析検査
次に、MRIや脳のCTスキャンの画像解析検査により、特異的な異常が見られないことを確認していきます。しかし、神経変性の疾患や脳の血管の障害がMRIの画像診断で見られた場合は、この症状がパーキンソン病の症状として挙げられているため、特異的な異常ではあるが、今回の判断基準に含まないなど、例外は存在しています。そして最後に、決定的になるのが、L-ドーパを投与し、症状が改善されることです。ドーパミンが欠如してしまうことにより、パーキンソン病の諸症状が発生していくため、このL-ドーパの投与により改善されれば、原因がよりつかめるというわけです。これらの項目が満たされると、パーキンソン病であると診断されます。さらに、電気生理学的検査や、血液・尿・血清の検査により、パーキンソン病に似た別の病気ではないかも調べていきます。パーキンソン病ははっきりとした原因を突き止めることがまだできていないので、別の可能性も考えつつ、検査していくことが必要になるのです。
分類表
そして、パーキンソン病と断定された場合や、簡易的にパーキンソン病の診断として利用されるのが、ホーエン医師とヤール医師の作成した分類表です。 パーキンソン病の度合や治療の効果の有無を見分ける指標として、1度から5度に分類されています。
- 日常生活における影響はほぼゼロに等しく、差支えない状態を指します。片方の手足のみに症状が表れ、これを一側性パーキンソニズムと呼びます。
- 障害にはならないけれど、両方の手足に症状が見られ、日常生活でも多少自由がきかなくなってくる程度です。歩行障害も2度から見られ始めますが、自由に出歩くことも出来ます。
- 3度になってくると、日常生活では自立できますが、職業によってはかなり厳しい状況になってきます。両方の手足に症状が表れ、すり足歩行や小刻み歩行が見られるようになりますが、介助は必要としません。この段階から医療補助が適応されるようになります。
- 4度では、介護者を必要とすれば日常生活をこなせるというレベルです。両方の手足には強い症状が表れ、自力での歩行は不可能に近い状態になります。高度障害を示すため、職業に就くことは全面的に困難となります。
- 5度になると、介助がない状態では、ほぼ生活は困難な状態になります。寝たきりや、移動にも車椅子が必要になり、生活はベッドの上で行うことになります。生活にも介護者が必須となり、パーキンソン病の症状をほとんど確認できる状態になってしまいます。