パーキンソン症候群 パーキンソン病と名称が似ていますが、パーキンソン症候群といわれるものがあります。いったいどんな違いがあるのでしょうか。

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パーキンソニズムについて

パーキンソン症候群の症状は、その名の通り、パーキンソン病に酷似しています。
この似ている症状を特に「パーキンソン症状(パーキソニズム)」と呼び、敢えてその名前を使うことによって、明確に区別しています。パーキンソン症状に該当するのは、パーキンソン病でいう運動症状の4つと、非運動症状になります。

4つの運動症状

運動症状には、まず、振戦と呼ばれる、ふるえの症状です。手の指にふるえが多く出ますが、腕や脚全体や下半身、時に顎にもふるえが出ることもあります。ふるえがひどくなってくると、文字を書く作業が困難になったり、発語障害も出てきます。

次に、無動や寡動と呼ばれる症状です。動作が極端に緩慢になり、機敏な行動がとれなくなります。まばたきが極端に少なくなり目を大きく見開く仮面様顔貌や、すくみ足や小刻み歩行、突進型歩行もこの症状に分類されます。

3つ目は筋強剛と呼ばれる、手の関節に多く表れる症状です。力を抜いた状態で、関節を動かそうとした際に、断続的に抵抗が起きます。仮面様顔貌が起きる要因も、この筋強剛にあります。

4つ目は、姿勢保持反射障害と呼ばれ、バランスをとるための反射能力が極端に劣ります。転びやすくなったり、起き上がれなくなったり、悪化すると大変危険です。

4つの運動症状

非運動症状として、うつ症状が挙げられます。
他にも、便秘や起立性低血圧、発汗低下や尿閉といった合併症上も起きることがあります。
これらの症状が見られた場合、パーキンソン病なのか、それ以外の病気なのかを判断する必要が出てきます。パーキンソン病は基本的には特定原因をつかむことができないので、脳のスキャンで何らかの原因や症状の要因がつかめたり、別の諸症状がパーキンソン病の症状にあてはまらない場合は、パーキンソン症候群である、ということになるのです。 
具体的な例を見ていくと、例えば、薬剤性パーキンソニズムがあります。原因となる薬剤を服用してしまうことにより、パーキンソン病に酷似した症状を発症します。主に歩行障害が確認されることが多く、臨床症状ではほぼ見分けることはできません。しかし、薬物の服用がなくなると完治したりする例もあり、その性質に大きく差があるのが、この病気なのです。ほかに、脳血管障害性パーキンソニズムや正常圧水頭症も、軽度の痴呆症から、嚥下障害を伴い、そこから発展して歩行障害を引き起こしていきます。でも、頭部のMRIを撮ってもらうと、パーキンソン病では映らないはずの血管障害が発見でき、パーキンソン病の検査に用いられるL-ドーパの投与検査でも改善がみられず、効果がありません。 このように、症状は同じものが出ていても、原因を追究したら全く違う病気だった、ということが起きます。パーキンソン病についても、パーキンソン症候群についても知識を増やしておけば、より一層理解も深まります。

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